【北欧神話3】主神オーディンの際立つ貪欲さがわかるストーリー
ー北欧神話小話ー
"オーディンとその兄弟が巨人の王ユミルを殺し、その巨大な頭蓋骨で天を創った際、ノルズリ、スズリ、アウストリ、ヴェストリという名の四人の小人に一緒にその天蓋を支えることを命じた。彼らはそれぞれ四方位に別れ天を支た。これが東西南北、方角の概念となった。”
今日は北欧神話における主神オーディンについて書いていきます。
特にオーディンの系譜や従えた動物、またどのような役割があったかをお伝えしたいと思います。
オーディンと言えば色々な作品で名前を目にしたことのある人も多いと思います。前にもお伝えしましたが北欧神話は色んなところでモチーフになったり引用されています。
オーディンは戦争と死、呪術、そして知識と詩芸を司る神と言われています。多くは長い髭を蓄え、片目がない姿で描かれています。ヴァルハラでは黄金に輝く鎧を纏っている姿が特徴的ですが、地上ではつばの広い帽子を深くかぶり(理由は後述)、青いマントを着て魔法の槍グングニルを持った老人として描かれることがほとんどです。
オーディンの系譜
父は神であるボル、母は女巨人のベストラで半神半巨人ということになります。ちなみに前回の記事から「神」や「巨人」と書いてきましたが、違いは体の大きさなのか?と聞かれれば答えはノー。確かに巨体の巨人が描かれる場合もありますが、この絵のようにユミルでさえオーディンら(半巨人ですが)と同等の大きさで描かれる事もあります。
神と巨人の明確な違いの答えは善と悪、秩序か混沌か、となります。よくわからんって人もいるかと思うのでわかりやすく言えば人間に好意的か好意的じゃないかの違いです。掘り下げれば、フヴェルゲルミルと言う泉から湧く水の毒が体の構成に関わっているかの違いかもしれません。
かなり脱線しましたが、続いては兄弟です。弟にはヴィリとヴェーがおり、彼ら兄弟は3人で原始の巨人ユミルを殺し、世界と人間を創ります。ただこれ以降二人はあまり作中には登場しません。一応「ロキ」という神の話の中で触れられることはあります。ロキについては北欧神話においてかなり重要な存在ですので別の記事で。
次に妻は愛と結婚と豊穣の女神フリッグで、彼女との間に息子のバルドルがいます。正妻であるフリッグに対しては頭が上がらないことが時々あったようで、フリッグは独自の考えを持ち、夫の言うことに黙ってついていくだけの女性ではなく、時には夫を陥れることも厭わないような女性でした。また優れた予言の能力を持っているが決して口にはしませんでした。
息子のバルドルは光の神であり最も賢明で、美しく光り輝く美貌と白いまつ毛を持ち、雄弁で優しい存在、言わばアース親族のアイドル的存在でした。
しかしある日から悪夢を見るようになると、心配した母は万物も彼を傷つける事ができないように契約させます。これによりいかなる武器でも彼を傷つけることは出来なくなりました。しかしこのとき実は、たった一つ、ヤドリギだけは若すぎて契約が出来ていなかったのです。これが後に語られる「神々の黄昏ラグナロク」のトリガーの一つとなります。
ここからは、側室或いは愛人とその子供達。
オーディンは多くの女性と交わり子をもうけますが、単に浮気癖があったからとか好色家であったからかと言えばそうではない。たしかにそういう一面もあったかもしれないが際立っていたのは、彼の物欲と知識欲。自らが欲するものはたとえ我が身を捧げようが手に入れる神でした。
ゆえに彼は欲するものがあればそのために女性を利用する事も、服従させることも厭わなかったのです。最たるはグロンズという巨人の娘との話がある。霜の巨人のスットゥングが隠していた詩の蜜酒を略奪するためだけにオーディンは、スットゥングの娘であるグンロズの前で美青年の姿に化け3夜を共にした後、彼女から3口分の蜜酒を飲ませてもらい、鷲に化けてアースガルズにトンズラしたのだ。
グロンズとの間には子は確認できていないが、他の巨人の娘であるヨルズとの間にトール、グリーズとの間にヴィーザル、リンドとの間にヴァーリが生まれている。
母親は未詳ですがホズ、ヘルモーズ、ブラギ、ヘイムダルも彼の息子と言われている。
オーディンの従えた動物達
オーディンは動物とともに描かれる事もある。彼の愛馬は八本足のスレイプニール。スレイプニールの出自の話も面白いのだが、これは「ロキ」の記事で書くとする。端的に言えばこの馬はロキという神の子供である。
フギンとムニンという二羽の ワタリガラスも従えている。フギンは思考を司り、ムニンは記憶を司る。二羽を世界中に飛ばし、持ち帰るさまざまな情報を得ていた。
足元にはゲリとフレキという2匹の狼がおり、オーディンは自分の食事はこれらの狼にやって自分はワインだけを飲んで生きているという。
オーディンが司るものに纏わる話
オーディンが司るものは先述しましたが詳しくは以下の通りです。
戦争と死の神:戦争を起こし、死者を司ることができる
北欧神話ではテュールという神が戦神とされていますが、オーディンも戦争の神として活躍します。その理由は策略や戦術の才に長けており、呪術や魔術を使って戦局を操ることが可能だったからです。わざと人間の王侯たちを不仲にし、戦争を起こさせるよう仕向けたこともあります。
しかも、あろうことか戦争の勝利者を誰にするかはオーディンの意思ひとつでした。加護を与えると決めた王侯にはその力を惜しみなく授けたため、多くの王侯たちはオーディンに取り入ることで勝利を手にしました。
しかし、オーディンの加護は気ままで移ろいやすく、勝利を手に入れた王侯たちがすべて無事にハッピーエンドを迎えるというわけにはいかなかったようです。王侯達は見放されぬ様に必死になったのでしょうね。
また人間の戦争での戦死者についてはエインヘリャルという英霊としてヴァルハラに導かれることから死者を司るとも言われます。今思えば、人間の戦争は全てラグナロクの準備として利用または引き起こされたのかもしれない。
呪術の神:ルーン文字の秘密を司る
オーディンはユグドラシルの根元にあるミーミルの泉の水を飲むことで知恵を身に付け、魔術を会得します。片目はその時の代償として失ったとされそれを隠すために帽子を目深に被っているとされています。
また、ルーン文字の秘密を得るために、ユグドラシルの木で首を吊り、グングニルという槍に突き刺されたまま、9日9夜、自分を最高神オーディンに捧げたという。つまり自分を自分に捧げたというとんでもない話である、彼が如何に貪欲かが見て取れます。ただこの時は縄が切れて助かったらしい。なおタロットカードの大アルカナ XII 「吊された男」は、このときのオーディンを描いたものだという解釈がある。
知識と詩芸の神:詩人に才能を与える力を持っている
彼が知識について如何に貪欲であったかはこの記事内でもすでに書かれている通りです。呪術やルーン文字の秘密をその身を捧げて手に入れ、フギンとムニンを遣い世の事象を知り、時に女性を騙し「飲めば詩人や学者になる」詩の蜜酒を飲み持ち帰ることで神々や人間に詩の才能が与えられた事が知識と詩芸を司ると呼ばれる所以ですね。詩の蜜酒の逸話も先述では触れませんでしたが、奥が深く前の記事で書いたヴァン神族との戦争終結が関わっています。
あとがき
以上が今回の記事で語るオーディンについてです。
しかし、オーディンに関しては他にも多くの逸話があり、とても書ききることはできませんので他の神々絡みの話はそちらで書くとします。
この記事ではオーディンがいかに狡猾で貪欲か、また主神であるにも関わらず、ある意味人間くさく、泥をかぶるのも厭わない存在かわかりましたね。こういった点から私的には神というよりは王というイメージが強いです。
またオーディンは二つ名が多いことでも有名で、全知全能の神、詩の神、戦神、魔術と狡知の神、片眼のもの、姿を変えるもの、真実をおしはかるもの等60を超える呼び名があります。
次回は・・・ロキの事を書くかな?第二の主人公、全ての元凶となる存在。
ではまた♪
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※神話の内容につきましては諸説あります。この記事の内容はあくまで私の得た知識から成り立つものとなりますのでご了承くださいませ。
犬夜叉で有名な「四魂の玉」その由来を古神道から学ぶ
" 害心と 願望混じる 梅雨の雲 "
ども、あるえです。しばらく雨が続くようですね。
昨今、雨を忌み嫌う者と待ち望む人では、前者の方が多いのではないでしょうか?
私達が生活する上で必要な水や食物は天の恵みによって与えられています。例えばダムが枯れれば生活用水に困るし、水が枯れてしまえば米や食物を育む事はできません。
とは言えその量が増えすぎると人間にとって脅威となり得るのも周知の事実。西日本豪雨から学んだ多くを忘れてはいけない。もう一年経つのですね。
月曜日からがつがつしてもしようもないし、こんな日はゆるりと日本の話しでもしながら休憩といきましょう。
今日話すのは神話というか、古神道と呼ばれる霊魂観についてです。
古神道は日本神話と繋がりはありますがどちらかと言うと後付された要素が多いです、しかし独特な世界観を持ち自然崇拝、先祖崇拝と言う教えがあり、祈祷や占いを行っていました。
現代における一年の吉兆を占う「おみくじ」は神職による祈祷と占いを簡素化したものであるし、「お盆」のそのしきたりや形式は先祖崇拝から受け継がれ、雷を五穀豊穣をもたらすものとして「稲妻」と呼んだと言われています。
ひとえに古神道と言っても実は人によって唱えるものが違う、言わば宗教のようなものでした。その中で「四魂」に関する霊魂観は「本田親徳」によって唱えられたものです。
犬夜叉における四魂の玉
まずはタイトルであげた高橋留美子先生原作の漫画「犬夜叉」の中での「四魂の玉」について触れていきましょう。
「四魂の玉」の成り立ちについては漫画内で「翠子と呼ばれる巫女がおり、一度に10匹もの妖怪を浄化できるほどの強力な霊力を持っていた。そのことを良しと思わぬ妖怪たちは徒党を組み一人の人間の男に乗移り翠子と7日7晩の戦いを繰り広げ、最期は妖怪に食われかけた翠子が己の魂中に妖怪たちの魂を封じ、互いの善と悪の魂が融合した四魂の玉が生まれた」とあります。
それゆえに、手にするものの心に作用され善にも悪にもなりました。
古神道における一霊四魂
では古神道における「四魂」はどの様なものでしょうか。「本田親徳」によって提唱された四魂の概念は正しくは「一霊四魂」と呼ばれており、一般的な解釈では神や人には四つの魂があり、それら四魂を一つの霊がコントロールしているというものです。
4つの魂と1つの霊にはそれぞれ働きがあり。
荒魂(あらみたま)は勇の機能であり行動力を意味します。また耐え忍びコツコツと継続する力でもあります。外向的な人は荒魂が強いと言われます。
和魂(にぎみたま)は親の機能であり親しみ交わるという力です。平和や調和を望み親和力の強い人は和魂が強いと言われます。
幸魂(さきみたま)は愛の機能であり人を愛し育てる力です。思いやりや感情を大切にし、相互理解を計ろうとする人は幸魂が強いと言われます。
奇魂(くしみたま)は智の機能であり観察力、分析力、理解力などから構成される知性です。真理を求めて探究する人は、奇魂が強い。
そして直霊(なおひ)はこれら4つの働きをフィードバックします。例えば、勇の働きが強すぎると「自分を押し付けすぎると嫌われるよ」智の働きが行き過ぎると「分析や評価ばかりしていると、嫌がられるよ」という具合に反省を促す。つまり「省みる」という機能を持ち良心へと導くのです。
しかし悪行を働くと、直霊は曲霊(まがひ)となってしまい、四魂の機能は邪悪に転換されます。このあたりは犬夜叉と類似していますよね。
私の考察にはなりますが、これらの概念には"第三者の視点で自己分析をしっかり行うことにより善人であり続けられる"と言う想いが込められているのではないでしょうか。
霊魂観の扱いと本田親徳
本田親徳によって唱えられた一霊四魂は明治以降に広められた特殊な霊魂観ですが、神道辞典などには一霊四魂という名称さえ掲載されていないらしい。
また「魂には大きく荒魂と和魂の2種があり、和魂にはさらに幸魂と奇魂の働きがあるとしており、四魂としてまとめてみるようなことはしていない」と度々否定されることもある。
しかし近世になって、一霊四魂は本田霊学系の後継者によって、古神道の霊魂観として重視され世に広まっていくことになりました。
最後に一霊四魂を生み出した本田親徳という人物像を紹介したい。
彼は明治時代の神道家で薩摩藩士・本田主蔵の長男として生まれます。 幼い頃から漢学を学び、17歳の時に京都に遊学。その後江戸に移り国学や和漢を修める。天保14年に京都に滞在中「狐憑き」の少女と出合ったことをきっかけとして神霊の研究を本格的に始める。門外不出の伯家神道を体得していた高浜清七郎とも深い交流があった。
あとがき
一霊四魂は古神道と言えど比較的新しい概念ですね。漫画の題材として扱われそして多くの人にその名を認知されました。かく言う私もその一人です。
私の神話好きは元はと言えばゲームや漫画好きが転じたもので、そこで知った情報が気になればすぐ調べて知識欲を満たす事が喜びでした。そんな私は奇魂による智の機能が強いのかもしれませんね。
そしてすばらしい知識にめぐり合えた事を高橋留美子先生に感謝します。
休憩といいながら気づけば2200文字、書き出したら止まらないのも性である。
ではまた。
PS:北欧神話のお話は書きたいことが多すぎるので整理しながらゆっくりいきます。他の神話についても順繰り書いていきます。
【北欧神話2】世界樹ユグドラシルに繋がる9つの世界と人間の誕生
ー北欧神話小話ー
"ヨトゥンヘイムに住む巨人の娘で、髪も姿も生まれつき黒く、暗いノート。彼女は3度結婚し最後の夫でアース神族の男デリングとの間に息子のダグをもうけたが、末の息子は父親に似て、明るく美しかった。
オーディンは彼女とその息子のダグを呼び、それぞれに馬を与え世界を周り続けるように命じ、ダグはスキンファクシという馬、ノートはフリームファクシという馬が引く馬車に乗り、12時間ごとに大地の上を通るように天を駆けた。スキンファクシのたてがみが発する光が、地上を照らし、ノートはその身で天を覆い隠し世界は闇に包まれる。こうして昼と夜が生まれた。"
ども、あるえです。北欧神話にはこの様な二元的要素を含む内容が多くある。ニヴルヘイムとムスペルヘイムがすべてにおいて相反しているように。
さて今日は前回の続き、オーディンらによるユミル殺害、その体で作られた9つの世界と世界樹ユグドラシル。創造された世界と人間の誕生について書いていきます。
世界樹ユグドラシル
世界の中心にはユグドラシルという世界樹がそびえており、ユグドラシルはすべての世界と繋がっています。
私には疑問がありました。それはユグドラシルそれ自体の出現。どうやって世界樹は誕生したのか?
結果的に神話上の世界が一本の大樹で成り立っているという、概念そのものであると考えました。だとしたら現実世界の宇宙と同義だと。
しかしよくよく調べると北欧神話においては「天地創造」の話がないのです。世界の始めにはすでにムスペルヘイムとニヴルヘイムがあったわけですし。
ギンヌンガ・ガップにユミルの死体を運び、9つの世界へと改変した後に世界樹ユグドラシルがそびえ立った。と言われる場合もあるそうです。
9つの世界
話を戻します。作られた9つの世界は以下の通り。
1) アースガルズ - アース神族の世界。世界の最上層に位置しオーディンの居城ヴァルハラがある。アースガルズの中心にはイザヴェルと呼ばれる平原があり、アース神族は重要な問題が起きるとそこへ集い会議を行う。地上とアースガルズの間には虹の橋ビフレストが架かっている。またヴァルハラは偉大な戦士達(主に人間)の魂である、エインヘリャルが集う場所でもあり、こうした戦士達はオーディンに仕える女性の使い、ヴァルキュリャによって導かれる。
2) ヴァナヘイム - ヴァン神族の世界。北欧神話に登場する一群の神々でありその名前は「光り輝く者」に由来する。豊穣と平和を司り、有名なフレイとフレイヤ兄妹はもともとヴァン神族である。「賢いヴァン神族」と呼ばれたりする。オーディン率いるアース神族と一時戦争状態となるが最後には和解している。
3) ムスペルヘイム - ムスペルヘイムにはムスペルと呼ばれる巨人が住み、スルトという巨人が入り口を守っている。世界の創めから存在し、その灼熱の世界ではムスペルヘイムで生まれたもの以外は暮らすことはできないとされている。スルトは溶岩の肌と炎の髪を持つ巨人です。
4) ヨトゥンヘイム - ヨトゥンと呼ばれるユミルの子孫である霜の巨人族と丘の巨人族が住む国。ヨトゥンヘイムは東に位置するとされており、人々の住むミズガルズと神々の住むアースガルズの脅威となっている。 アースガルズとヨトゥンヘイムの間にはイヴィング川が流れている。
5) アルフヘイム - 光の妖精エルフの住む国。 九つの世界の第一層に存在、ヴァン神族のフレイが彼らの王だと言われている。
6) スヴァルトアルフヘイム- 黒いエルフ、スヴァルトアールヴァルたちが住むとされている世界である。アース神族がフェンリルを縛るための足枷グレイプニルを手に入れるためにフレイの召使いであるスキールニルを送っている。
7) ニダヴェリール - 卓越した鉱夫や腕の立つ鍛冶屋であった、ドワーフや小人達の世界。彼らはトールのハンマーやフレイの機械で造られたイノシシなど、神々へ魔法の力による道具を作り上げた。
8) ニヴルヘイム - 九つの世界のうち、下層に存在するとされる冷たい氷の国。ギンヌンガガプと呼ばれる亀裂を挟んでムスペルヘイムの北方にある。天地創造以前から存在し、ニヴルヘイムには世界樹の根の一つが伸びているが、その下にはフヴェルゲルミルと呼ばれる泉がある。この泉には世界樹の根を齧るニーズヘッグという蛇が住む。またロキがアングルボザとの間にもうけた半巨人の娘ヘルが支配している。
そして
9) ミズガルズ - 死を免れない人間の地。「中央の囲い」を意味し、北欧神話に登場する人間の住む領域でアースガルズとは虹の橋ビフレストによって繋がっている。ヨトゥンヘイムとはミズガルズの周囲の水または海洋で隔てられている。
人間の誕生
ミズガルズという世界が構成された後、オーディンとその兄弟ヴィリとヴェーは浜辺で根のついた2本の流木を拾い、トネリコの木からはアスクという男 、ニレの木からはエムブラという女を作りました。オーディンはそれに息吹を与えた。また、ヴィリは感情と知性を与え、ヴェーは言葉と感覚を与えた。これが創造された最初の人間の男女である。2人はミズガルズに住みすべての人類の先祖となった。
これが人間誕生の話である。ちなみに旧約聖書のアダムとイヴと頭文字は同じだが関係性は無い。
人間に関しては多く語られることはないが後にアース神族にとって重要な役割を果たすようになっていく。
あとがき
本日はここまで。
いかがでしたか?ミズガルズ、またの名をミッドガルと言いますが、ミッドガルやニブルヘイムと聞くとFF7を思い出しますね。確かに今思えば的を得たネーミングですよね。
人間の住まう人工的な街ミッドガル、悲劇の惨状の現場となるまさに地獄のニブルヘイム。皆さんは北欧神話といえば何を連想しますか?
ではまた続きをお楽しみに。
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※神話の内容につきましては諸説あります。この記事の内容はあくまで私の得た知識から成り立つものとなりますのでご了承くださいませ。
【北欧神話1】起源は一匹の牛と巨人と神。ここから始まるファンタジア
どうも、あるえです。
今日からは神話についても書いていきます。トップを飾るのは【北欧神話】
なぜ北欧神話を最初の題材にしたかというと私の神話好きは北欧神話を知り、触れて、のめりこんだ事がきっかけだったからです。
そんな思い出深く、魅力に溢れた神話をこのカテゴリの皮切りとしたい。
生活や文化と北欧神話の密接な関係
本題に入る前に是非知って欲しい事がある。と、言うのもこの北欧神話というのは実は生活や文化と密接な関係があるんです。
例えば曜日の英語表記。いつも何気なく使っている曜日ですが、英語のそれぞれの曜日には名前の由来があるんです。このうちTuesday、Wednesday、Thursday、Fridayは「北欧神話」の神々の名前からきています。
ちなみにSunday、Monday、Saturdayが「ローマ神話」からきています。なぜ二つの神話から一週間が成り立っているかと言うと、ルーツとなる民族が同じだからですがそれについては別の記事で書くとして、さっそく由来を見ていきましょう。
Tuesday 火曜日
Tuesdayの語源は「Tyr(チュール)」。「Tyr」は北欧神話の軍神で、主神 Odin(オーディン)の3番目の息子です。Tyr(チュール)⇒ Tiw(ティウ)に変化し「~の」を意味する「es」が付いて「Tuesday (チュールの日)」。
Wednesday 水曜日
Wednesdayの語源は「Odin(オーディン)」北欧神話の主神です。Odin(オーディン)⇒ Woden(ウォーデン)に変化。「~の 」を意味する「es」を付けて変化し「Wednesday (オーディンの日)」
Thursday 木曜日
Thursdayの語源は「Thor(トール)」。「Thor」は北欧神話の戦神・雷神で、Tyrと同じくOdinの息子です。「~の」を意味する「es」が変形して付いて「Thursday」(トールの日)
Friday 金曜日
Fridayの語源は「Freija(フレイア)」北欧神話の愛と美の女神です。
以上が北欧神話の神々が由来の曜日です。
他には私たちが普段目にする映画や漫画、アニメやゲームなんかにも数多く題材として使用されています。有名どころで言えば「ロードオブザリング」や「進撃の巨人」が該当しますね! ほんとキリがないほどあります。
北欧神話の起源
では、ここからは神話の大筋のストーリーについて触れていきます。まずは物語冒頭、プロローグです。
北欧神話での世界が始まった時には、南の灼熱の世界であるムスペルヘイムと、北の極寒の世界であるニヴルヘイムがあり、その間にギンヌンガ・ガップが存在していました。
ギンヌンガ・ガップというのは「あくびする裂け目」という意味でそれがどのようなものであったかは明確にはなっていません。大地が避けていたのか、はたまた壁や大岩に亀裂があったのかは想像心を掻き立てます。
ニヴルヘイムにはフヴェルゲルミルという泉があり、これを源流として11の川が流れ出し、ギンヌンガ・ガップに注いでいました。フヴェルゲルミルから湧く水には毒が含まれており、この毒は流れている間に氷結し、ギンヌンガ・ガップのあたりで川全体を満たし、流れを止めるようになりました。そこにムスペルヘイムからの熱風が吹き付け、氷の一部が霜となります。この霜から、やがて原初の霜の巨人ユミルが誕生するのです。また、同じ霜から巨大な雌牛アウズンブラが誕生します。
ユミルは足から息子を産み、脇の下から男と女が1人ずつ現れた。こうしてユミルは彼らから産まれたヨトゥン 及び巨人達の親となる。
眠っていたユミルは後に目を覚まし、アウズンブラの乳に酔う。彼が酔っている間、牛のアウズンブラは塩の岩を嘗めた。この出来事の後、1日目が経って人間の髪がその岩から生え、続いて2日目に頭が、3日目に完全な人間の体が岩から現れた。これが北欧神話最初の神であるブーリです。
霜の巨人の殺害と世界創造
神であるブーリもユミル同様に男神ボルを生み出します。このボルは、ユミルの孫にあたる女巨人ベストラと結婚し、オーディン・ヴィリ・ヴェーの三柱の神を生み出します。
男女の結婚によって生み出されたものは、この三柱の神が最初でした。オーディンとその兄弟たちは、成長すると巨人族と対立するようになります。
巨人族は、その体を形成した霜の中に毒が含まれていたため、非常に凶暴だったことが、この対立の原因だとされています。
三柱の神は自分たちが十分に強大な力を持っていると感じ、ユミルに打倒します。ユミルの死体からはおびただしい血が流れ出て、この血によってその他の巨人は一組の夫婦を残してすべて死に絶えてしまいました。
ユミルの死体は、オーディンたちによって解体され、その血は川や海の水となり、頭蓋骨は天蓋となり、骨は山となり、歯と細かな骨は岩や石となり、髪の毛は草花となります。脳は天に浮かぶ雲となりました。
何故かまつげで人間の住むことになるミッドガルドを囲む壁が作られています。
これがオーディンとその兄弟(ヴィリ、ヴェー)による世界の創造の話です。
あとがき
いかがでしたか?ここまでが北欧神話の成り立ちから世界創造までの話です。
北欧神話はゲルマン神話の一種で、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドおよびフェロー諸島に伝わっており、極寒の地で生まれ育った人々の中で浸透していました。過酷な環境の中で生まれたこの神話には当然シリアスな展開もあり最後には滅びを迎えるわけですが、それまでに展開される神々と巨人のユーモア溢れたエピソードも魅力の一つです。
次回は世界創造後の話です、生まれた9つの世界。お楽しみに。
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