【北欧神話8】ミョルニルとドレスとトールの奇譚な女装物語
北欧神話小話
豊饒の女神フレイヤには人間や神々の中にも多くの愛人がいたという。特にお気に入りだったのが人間の男性オッタルで、彼を猪に変身させてそれに乗って移動することもあった。そのため、夫オーズに去られている。行方不明になった夫を捜して世界中を旅する間に流した赤い涙は、地中に染み入って黄金になり、黄金はフレイヤの別名から「マルデルの涙」と呼ばれる。
おはようございます。ここ最近、投稿時間が遅がけとなってしまっていましたので今日は朝から頑張ります!
本日も引き続きトールさんのお話となります。今回はトールさんの大切な大切な金槌ミョルニルが盗まれてしまうという事件がきっかけでの北欧神話におけるコメディ劇場といったところでしょうか。北欧神話好きな人にとってはこの話は割と有名です。
さぁ舞台は神々の地、アースガルズ。豪腕トールに降りかかる災難とは如何に??
盗まれたミョルニル
あああああああああああああっ!!!?
トールは目が醒めたとき大変な事態に気づき絶叫します。なんと、彼の宝であるミョルニルが盗まれていたのだ。ミョルニルと言えばどんな敵も打ち倒し、山をも砕き、時にに祝福を授けるいわゆる神具だ。これがないとトールの戦力が落ちるのは当然。今巨人に襲われれば苦しい戦いになってしまう。
トールやミョルニルの記事はこちら↓
盗んだのは巨人だと断定しトールの怒りが込み上げた。なんとしても取り返さなくてはならない。トールは頭がいいロキにミョルニルの事を相談します。二人はしばらく悩んだあとロキがフレイヤを尋ねてみようと言います。
ロキは「フレイヤ、ミョルニルが盗まれたのでヨトゥンヘイムへすぐに行きたい。あなたの鷹の羽衣を貸してください。お願いします。」とフレイヤに頼んだ。彼女はミョルニルが巨人の手に渡ったら大変だとOKの返事をした。(身につけると鷹になれる羽衣)
フレイヤについての記事はこちら↓
ロキはフレイヤの羽衣を使って巨人の国に急行します。ロキが尋ねたのは巨人の王スリュムの館だ。ロキはスリュムに会うとすぐにミョルニルを盗んだのかと単刀直入に問います。(ロキは巨人族と精通していて、割と仲が良い)
するとスリュムは「その通り、俺が隠した。フレイヤを我が妻とすれば返してやろう。」と言った。ロキはこれを聞きすぐに神々に報告した。
フレイヤは激怒します。彼女の怒りは壁が震え、長イスは揺れ、彼女の宝物のブリージングの首飾りが弾け飛ぶ程だった。(そりゃそーだ、と言いたいがやはり美し過ぎるのも罪なものだ)
ヘイムダルの提案
アースガルズの神の中で激しい議論が繰り広げられますが、中々良い意見が出ない。そんな折、アース神族のひとりヘイムダルが静かに口を開き始めた。
「トールを花嫁姿に変装させるんですよ。美しい宝石をいっぱいつけて、花嫁頭巾をかぶせて。ウエディングドレスを着せて、もちろんフレイヤのブリージングの首飾りをつけて。美しいトールにするんだ。」
ヘイムダルの言葉に神々は一瞬静まり返った後、ヘイムダルとトール以外は大爆笑した。腹を抱えて転げ落ちる者もいた。トールは青ざめている。ヘイムダルは尚、真面目な顔をして話を続けます。
「とにかくトールをきれいな花嫁にして彼をフレイヤとしてスリュムのもとに送り込み、スキを狙ってミョルニルを取り返すんだ。」
トールは雷鳴のような声で怒ります。どうも不服な様子だ。(そりゃそーだ)
ロキやヘイムダルはこう説得した。「では、ミョルニルはずっと巨人のものになるわけで、巨人がそれを使って攻めてきたら、我々はかなりの損害を受けることになるな。」
これを言われたらトールも文句が言えない。渋々決意します。みんなで協力してトールを美しい花嫁姿にした。きれいな宝石、白いウエディングドレス、フレイヤの首飾りをつけ、自慢の髭もそった。
結果、トールはこの世のものとは思えないほどの美しい花嫁になった。そんな馬鹿な。
そして侍女に変装したのはロキである。
花嫁トールと侍女ロキの策略
スリュムはフレイヤがくると分かると祝いの宴の準備をした。一方フレイヤと侍女は巨人の国に向かい、スリュムの下についた。素晴らしいほどのワインや牛の丸焼き。鮭を使った料理が並んでいる。フレイヤと侍女は宴の席についた。しかしフレイヤはものすごく腹が減っていた。
フレイヤ(トール)は牛を丸ごと1頭とワイン大瓶3つと鮭8匹、をひとりで平らげた。スリュムは驚きます。
すかさず「フレイヤ様は、あなたの事を想い焦れ8日のあいだ一口も『もの』を口にしなかったんですよ。」と侍女(ロキ)がフォローした。
これにスリュムは、大変上機嫌になった。そしてフレイヤに触れようとしたら、スリュムはまた驚いた。「なんて鋭い目をしている、真っ赤な目をしているじゃないか。」
またまた「フレイヤ様は、あなたの事を想い焦れ8日のあいだ一睡も出来なかったんですよ。」と侍女(ロキ)はフォローした。
侍女の言葉に有頂天になったスリュムは召使に命令した。「ミョルニルを持って来い。花嫁の膝元において結婚を祝おう」と。二人にはミョルニルが結婚で祝福の道具として使用されるのは分かりきっていた。
召使は薄々警戒していたが、スリュムの命令には逆らえない。ミョルニルが運び込まれ花嫁の膝元に置いた。花嫁(トール)は心の中で笑います。
ついにトールは、花嫁衣裳を脱ぎ捨て威嚇するようにスリュムをにらみ、あっという間に倒した。他の巨人も錯乱状態になったが、その場にいた巨人は全部トールに倒された。そしてすぐにトールとロキはアースガルズに戻り、ミョルニルを取り返したのだ。
あとがき
トールさん最後は威厳を取り戻せて良かったですね!笑
今回のお話で登場したワインや牛、酒と言えば北欧料理が題材ですね、こういった随所に盛り込まれた当時の生活観も、垣間見ることができて楽しいものです。
女装、と言えばFF7を思い出す方もいるかもしれませんが、あのクラウドの女装とコルネオの館の話はまさにこの話しがモチーフで、ミョルニルがティファ、ヘイムダルとロキの役割をエアリスが担っています。FF7では他にもミッドガル、ミドガルズオルム、ニブルヘイム、と言った要素も登場してます。知らない人はすみません。笑
もしかするとあなたの好きな話の一部が神話からきているかもしれませんね。
ではまた次回♪
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※神話の内容につきましては諸説あります。この記事の内容はあくまで私の得た知識から成り立つものとなりますのでご了承くださいませ。
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